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法然上人 生誕の地美作国に関する研究

法然上人 生誕の地美作国に関する研究

法然上人 生誕の地美作国に関する研究

Kindle本
瀬川久志 著

内容紹介

 人はいつの時代にも社会的存在であり、社会の持つ属性によって、その人の社会的性格が影響を受ける。そして、おそらく、物心ついてから青年期にかけての経験と思索が、その人の一生を左右するといってよい。では、法然上人が生まれ育った地域の生活と経済のネットワークは、どのように法然の心を育んだのか。律令体制が崩壊に向かい、新しい支配階級である武士が台頭する中、法然が生まれた美作国も、未曾有の社会的変動の波に洗われていた。絹織物の相対的な地位の低下、新しい製鉄技術の利権を巡る闘争、焼物と漆の生産、油や薬草で成り立つ、地域の人々の暮らしと社会のなかで、1133年法然上人は生まれた。閉鎖的ではあるが、温かい人情味に満ちた共同体的紐帯と、貧しさゆえの反権力的嗜好の原始的蓄積が、少年法然の心に醸成され、後の平等人間観を育んでいった。地域に残る豊富な文献や遺跡・資史料・現地踏査に依拠しつつ、法然と同じ土地に生を受けた筆者が、心の目でこの命題を検証する。本書は、後に企画している歴史小説「法然上人生誕の地に吹く朱色の風」のための予備的考察である。
「法然の幼少、青年期のふるさと・美作国の社会・経済構造を探る旅が一応終結した。本の締めくくりに、「あとがき」なり「結論」を書くことは、古今東西を問わず、決まりごとになってはいるのだが、さて、こうして構えてはみるのだが、結語を書くだけのエネルギーはもはや体内にない。というのは、五月の大型連休が終わった直後に、本文でも触れた「誕生寺から菩提寺までの行脚」を実行し、その疲れが免疫力を低下させ、その隙間を縫って、子供のころの水疱瘡の再発ともいうべき「帯状疱疹」を発症してしまった。いま、その激痛に耐えながら、あとがきを書いているのだが、子供のころの些細な病気が、今になって再び出てくることに、実は不思議な思いに駆られるのである。子供のころの経験は、決して完全に忘れ去られることなく体内に蓄積され、一生を通じて人生を支配し続けると言っても過言ではない。まして、青年期の経験は決して消し去ることのできない、深部での人生の骨格を形成する。そういう意味で言うと、偉大な法然上人も、私たち凡夫も何ら変わらない存在である。法然は決して特別な存在ではなかった。私はそう信じたい。法然が偉大だったのは、彼の青年期における経験と真摯に向き合う姿勢であり、一生決して妥協しなかった努力であった。私たちは、ついつい周囲や時代の流れと安易に迎合し、うやむやにしながら生きることを学び、その中で得たと自称する様々な俗説を頼りにする、習性の衣をまとって暮らす方向へ流れてきた。この本で、若き法然が遭遇したであろう心的インパクトを、できるだけ、ありうる範囲で再現することができたと確信している。偉人法然が、この原初的蓄積を、その後の修業の中で、いかに専修念仏という教義へと集大成させていったかについては、残念ながら私のような凡夫にはできない。このつたない書物が、同じ志を持つ方々の多少とも参考になれば、望外の幸せである。筆者は年を取りすぎた。あと一〇年もすれば、法然上人入滅の年を迎える。この一〇年の間に、少しでも法然上人が到達した境地に近づきたいと思う。続編『法然上人生誕の地に吹く朱色の風』は、二〇一八年夏ごろの出版予定である。」(本書「終わりに」より)

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